2025.08.20

スマホを使用していると、突然通信速度が遅くなったり、動画がスムーズに再生されなくなったりすることがあります。これは、一定の条件を満たした際に自動で適用される通信速度制限が原因となっている場合があります。こうした仕組みを理解していないと、予期せぬ速度低下に戸惑う可能性もあるため、あらかじめ通信制限の内容を把握しておくことが重要です。

この記事では、スマホの通信制限の仕組みや条件、解除方法について詳しく解説します。速度制限中ではないのに遅いと感じるときの原因や速度制限を回避する方法も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

通信制限とは？

通信制限とは、スマホやモバイル回線などで一定のデータ通信量を超えた際に、通信速度が大幅に制限される仕組みのことを指します。これは、携帯電話会社がネットワークの混雑を防ぎ、他の利用者全体の通信品質を安定させることを目的として導入しているものです。

通信制限になると、Webサイトの閲覧が重くなる・動画が途中で止まる・アプリのダウンロードが著しく遅くなるなどの影響が出ます。こうした状態が続くと、日常的なインターネット利用に大きな支障をきたす恐れがあるため、あらかじめ対策を講じておくことが重要です。

スマホの通信制限がかかる条件

多くのプランでは、データ使用量が月間の上限を超えると、自動的に通信速度が制限されます。たとえば、月3GBや20GBといった定額プランでは、月間の通信量が上限を超えると当月末まで通信速度が大幅に制限されるのが一般的です。

また、「データ無制限」とうたっているプランでも、ネットワークの混雑を避けるために一時的な速度制限がかかる可能性があります。突然の制限に戸惑わないためにも、契約内容や日々のデータ使用量を把握しておくことが大切です。

通信速度制限時はどのくらい遅い？

通信制限がかかると、通信速度は128kbps〜1Mbps程度まで大幅に低下します。128kbpsであれば、テキスト中心のWebサイトの閲覧やLINEでのメッセージ送受信は問題なく行えます。ただし、画像が多く含まれるページや動画コンテンツの再生には時間がかかり、スムーズな利用は難しいのが一般的です。

1Mbpsの場合は、標準画質（480p）での動画視聴は可能ですが、読み込みの遅さや画質の低下が見られる場合があります。また、オンライン会議やアプリのダウンロードなどには不向きであり、用途によってはストレスを感じやすい速度です。

【キャリア別】スマホの通信速度制限

スマホの通信制限は、契約しているキャリアやプランによって、適用される条件や制限後の通信速度が異なります。大手キャリアと格安SIMの代表的な制限条件と、制限時の通信速度の目安を以下にまとめました。

ここからは、各キャリアの通信制限を詳しく解説していきます。

ドコモ

ドコモでは、契約したデータ容量を超えた場合に通信速度が制限され、最大128kbps〜1Mbps程度まで低下します。5Gギガホ プレミアのような無制限プランであっても、ネットワークの混雑時や大量の通信が確認された際には、一時的に通信速度が制限される可能性があります。

定額プランでは、上限を超えると月末まで速度制限が続き、翌月1日のデータ更新とともに自動的に制限が解除されるのが一般的です。

ソフトバンク

ソフトバンクでも、データ通信量が月の上限を超過すると、自動的に速度制限が適用されます。契約プランによって制限後の通信速度に違いがありますが、最大128kbps〜1Mbps程度が一般的です。メリハリ無制限＋やペイトク無制限プランでは、条件によって最大4.5Mbpsに制限される場合もあります。

通信制限は、基本的に翌月にデータがリセットされることで自動的に解除されます。

au

auでは、データ通信量の上限を超えた場合に最大128kbps〜300kbps程度まで通信速度が制限されます。大容量通信を短時間に行った際や、プラスエリアモードの上限15GBを超えたときにも同様の制限がかかります。

通常は月が変わるタイミングで制限が解除されますが、追加データを購入した場合は即時反映されるため、すぐに元の速度へ戻すことも可能です。

格安SIM

格安SIMは、ドコモ・au・ソフトバンクなど大手キャリアの回線を借りて運用されているため、制限条件は事業者ごとに異なります。一般的には、月間容量を超えると最大300kbps〜1Mbpsに制限されることが多く、短期間に大量の通信を行った場合にも制限がかかるケースがあります。

通信の安定性を確保するため、混雑しやすい時間帯に速度を抑える仕組みを導入している事業者もあるため注意が必要です。契約前には、制限の条件や適用タイミングをしっかり確認しておくことが大切です。

以下の記事では、格安SIMとポケットWiFiを組み合わせるメリット・デメリットを解説しているので併せてご覧ください。

格安SIMとポケットWi-Fiの組み合わせはお得？併用するメリットやデメリットなどを紹介

ruumモバイルは、シンプルでわかりやすい料金プランと月間データ容量を気にせず使える柔軟な通信環境が魅力です。5G対応端末も用意されており、外出先でも自宅でも安定した高速通信を実現できます。通信速度を気にせずにスマホを使いたい方は、ぜひチェックしてみてください。

スマホの通信速度制限が解除になるタイミング

通信制限解除のタイミングは、主に月のはじめか、追加データの購入後です。月間データ容量に上限があるプランでは、毎月1日に通信量がリセットされ、それに伴い通信速度の制限も自動的に解除されるのが一般的です。

制限を早期に解除したい場合は、キャリアやプロバイダが提供する追加データを購入することで、その場で制限前の通信速度に戻すことが可能です。また、「3日で15GB」などの短期的な通信制限が設けられている場合には、一定期間が経過すれば自動的に制限が解除される仕組みとなっています。

スマホの通信速度制限を解除する方法

通信制限が発生しても、元の速度に回復させる方法はいくつか存在します。ここからは、通信速度を元に戻すための代表的な方法を詳しく解説していきます。

制限が解除されるまで待つ

通信速度の代表的な解除方法の1つが、通信制限が自動的に回復するのを待つことです。多くの携帯キャリアでは、月ごとのデータ容量を使い切ると速度が制限され、翌月の初日に通信量がリセットされると同時に解除されます。

また、「3日で15GB」などの短期的な通信制限の場合も、対象期間が過ぎれば速度は自然に回復します。手間やコストがかからず、比較的負担の少ない解除方法の1つです。

データ容量を追加で購入する

通信制限を早急に解除したい場合は、各キャリアが提供する「データ容量の追加購入（チャージ）」を活用することをおすすめします。チャージした分だけ高速通信が再び可能になりますが、追加料金が発生するため、頻繁な利用は割高になる点に注意が必要です。

各キャリアのチャージ方法や料金体系は、以下のとおりです。

ドコモ

ドコモでは、公式Webサイトから24時間いつでも簡単にデータ容量を追加することが可能です。料金は1GB追加ごとに1,100円（税込）で、必要な分だけチャージできます。

チャージするとすぐに通常の通信速度に回復するため、すぐに高速通信を再開したい場合にも便利です。毎月のようにデータ量が上限に達する方は、無制限で利用できる上位のギガホプランへの変更も視野に入れて検討すると良いでしょう。

ソフトバンク

ソフトバンクでは、My SoftBankからデータチャージが可能で、1GB追加ごとに1,100円（税込）が基本となります。購入後はリアルタイムで高速通信が復活し、翌請求月まで利用できます。

また、「快適モード（オートチャージ）」を利用すれば、設定した上限回数まで通信制限時に自動でチャージされます。容量の使いすぎが気になる場合は、データ使用量の自動通知設定も活用するのがおすすめです。

au

auでは、「データチャージサイト」や「My au」から高速データ通信の追加ができます。追加できる容量は1GB・3GB・5GBから選べ、料金は1GB追加ごとに1,100円（税込）です。

チャージ方法は「今すぐ」と「予約」の2種類から選択でき、用途に応じて使い分けができます。チャージしたデータ容量の有効期限は62日間なので、必要なときに無駄なく使える点も魅力です。

以下の記事でも、スマホのギガがなくなった場合の対処法を解説しているのでぜひご覧ください。

スマホのギガがなくなった場合の対処法を徹底解説！ギガがなくなったときに起こるトラブルやギガ不足を防ぐ対応策を紹介

ruumモバイルは、シンプルでわかりやすい料金プランと月間データ容量を気にせず使える柔軟な通信環境が魅力です。5G対応端末も用意されており、外出先でも自宅でも安定した高速通信を実現できます。通信速度を気にせずにスマホを使いたい方は、ぜひチェックしてみてください。

通信速度制限を防ぐための対策

通信制限は、日ごろの使い方を見直すことである程度防ぐことが可能です。ここからは、スマホの通信速度制限を防ぐための具体的な対策を解説します。

対策1.Wi-Fiに接続する

Wi-Fi環境を積極的に活用することで、通信制限のリスクを大きく減らすことが可能です。自宅やカフェ、公共施設などでWi-Fiに接続すれば、モバイルデータ通信を消費せずにインターネットを利用できます。

特に、動画の視聴やアプリのダウンロードなど大容量の通信が必要な場面では、Wi-Fi接続が非常に効果的です。高速で安定した通信が可能になり、通信量を気にせず快適に使えるのも大きなメリットです。

対策2.位置情報サービスをオフにする

位置情報（GPS）サービスが常にオンになっている場合は、設定から「使用時のみ許可」や「無効化」に変更しておきましょう。位置情報サービスは、通信を継続的に発生させるため、データ消費の原因になりやすい機能の1つです。

地図アプリや天気予報、SNSなどがバックグラウンドで位置情報を取得することで、知らないうちに通信量が増えているケースもあります。不要な通信を減らすためにも、こまめな設定の見直しが効果的です。

対策3.モバイルデータ通信をオフにする

スマホを使用していない時間帯や通信の必要がないアプリは、モバイルデータ通信をオフにしておくことで無駄なデータ消費を防ぐことが可能です。アプリの使用状況を正しく把握していないと、知らないうちにモバイルデータ通信が発生し、意図せず通信量を消費することがあります。

特に、バックグラウンドで動作するアプリや、自動更新機能が有効になっているアプリには注意が必要です。Wi-Fi接続時に自動でモバイル通信を無効にする設定にしておくと、切り替え忘れによる無駄なデータ使用を防げます。

対策4.バックグラウンド更新をオフにする

アプリは、使用していないときでも自動でデータを取得・更新していることがあります。これは「バックグラウンド更新」と呼ばれており、気づかないうちに通信量をじわじわと消費する原因になります。

通信量を抑えるためには、スマホの設定画面からバックグラウンド通信をオフにするのがおすすめです。また、必要なアプリだけを許可するように設定しておくと、通信を節約しながら利便性も保てます。

対策5.料金プランを変更する

毎月のように通信制限がかかってしまう場合は、現在契約している料金プランが、自分の通信スタイルに合っていない可能性があります。無理に使用量を抑えようとするのではなく、まずは自分がどれくらいデータ通信を使っているのかを把握することが大切です。

定期的に通信量の実績を確認し、必要に応じてプランに変更することで、快適な通信環境を維持しやすくなります。特に、動画視聴やSNSの利用が多い方は、月間データ量が大きいプランや無制限に使えるプランへの変更を検討するのがおすすめです。

対策6.データ量を定期的にチェックする

通信制限を防ぐためには、日ごろからデータ使用量を定期的にチェックすることが大切です。スマホには「モバイルデータの使用量」を確認できる機能があり、日・週・月単位での使用量を把握できます。

また、定期的に確認する習慣をつけることで使いすぎの兆候に気づけ、通信制限を回避するための対策にもつなげやすくなります。まずは、自分がどれだけ通信しているかを「見える化」することから始めましょう。

各キャリアのデータ量の確認方法は、以下のとおりです。

ドコモ

ドコモでは、「My docomo」アプリやWebサイトから当月・前月・直近3日間の通信量の確認が可能です。グラフで使用状況を可視化できるほか、過去の履歴もチェックできるため自分の利用傾向を把握しやすく、プランの見直しにも役立ちます。

また、一定の通信量に達すると自動で通知が届く「データ量到達通知サービス」も提供されており、使いすぎの抑止に役立ちます。

ソフトバンク

ソフトバンクは、「My SoftBank」アプリやWebサイトで当月のデータ通信量を簡単に確認できます。利用状況に応じて、データ残量のアラートや使いすぎ時の警告が表示されるため、通信制限がかかる前に対策を講じることが可能です。

また、契約しているデータ定額プランに応じて、設定した目安量を超えたタイミングで通知を受け取れるように設定することもできます。日々のデータ使用量を把握することで、より計画的な利用がしやすくなります。

au

auでは、「My au」から通信量をリアルタイムで確認できます。当月の使用量はもちろん、過去の利用履歴も簡単にチェックできるため、自分の利用傾向を把握しやすいのが特徴です。

また、あらかじめ設定した使用量を超えると自動で通知が届く機能も備わっており、通信量の管理に役立ちます。こまめな確認と通知機能を併用することで、通信制限を未然に防ぎやすくなります。

以下の記事では、用途別のデータ容量の目安と足りない場合の対処法を解説しているので併せてご覧ください。

月20ギガはどれくらい使える？用途別の目安と足りない場合の対処法を紹介！

【用途別】月50ギガはどれくらい使える？他のデータ通信量との比較やおすすめのサービスも紹介！

対策7.データセーバー機能を活用する

データセーバーは、スマホの通信量を節約するための便利な機能です。バックグラウンド通信や、Webサイト・アプリ上での画像や動画の自動読み込みを抑えることで、無駄なデータ消費を防げます。

Androidにはこの機能が標準で搭載されており、iPhoneでも一部の設定を通じて同様の機能が利用可能です。設定をオンにするだけでアプリごとの通信量を抑えられるため、月末など残りの容量が気になるタイミングで役立ちます。

対策8.アラートを設定する

通信量の使いすぎを防ぐには、事前にアラート（警告）を設定しておくのが効果的です。スマホの設定から「データ使用量の警告」をオンにすれば、指定した容量に近づいた段階で通知を受け取れます。

たとえば、月5GBのプランなら、4GBに達した時点でアラートが出るよう設定しておくと残りの容量に余裕を持って対応できます。無駄な通信を未然に防ぐためにも、こうした機能を上手に活用することが大切です。

ruumモバイルは、シンプルでわかりやすい料金プランと月間データ容量を気にせず使える柔軟な通信環境が魅力です。5G対応端末も用意されており、外出先でも自宅でも安定した高速通信を実現できます。通信速度を気にせずにスマホを使いたい方は、ぜひチェックしてみてください。

スマホのギガに関するよくある質問

ここでは、スマホのギガに関するよくある質問とその答えをまとめました。通信制限や速度低下に不安がある方は、ぜひ参考にしてしてみてください。

通信速度制限を解除する裏技はありますか？

通信制限を即座に解除するような裏ワザはありませんが、制限を回避するための工夫はいくつかあります。Wi-Fi環境を積極的に活用したり、アプリの自動更新やバックグラウンド通信をオフにすることで無駄な通信を抑えることが可能です。

また、月間の通信量が多くなりそうなときは、あらかじめ大容量プランに変更しておくのも賢い選択といえます。こうした工夫を日常的に取り入れることで、通信制限によるストレスを大きく減らせます。

通信速度制限がかかった場合は追加料金が発生しますか？

月間のデータ容量を使い切った場合、自動的に速度が制限されますが、その際に料金が増えることはありません。速度制限状態のままでも、軽いデータ通信であれば継続して利用できます。

ただし、制限を解除するためにデータ容量を追加購入する場合には、別途料金が発生します。追加データの購入費用は、1GB追加ごとに1,100円程度（税込）が相場となっています。

iPhoneで通信速度制限にかかっているかどうかを確認する方法はありますか？

iPhoneでは、「設定」から「モバイル通信」を開くことで、現在のデータ使用量を確認することが可能です。通信量が契約上限に近づいていないかをチェックすることで、速度制限がかかるかどうかの目安になります。

また、「My docomo」「My au」「My SoftBank」など各キャリアが提供する公式アプリを使えば、通信制限の状況をリアルタイムで確認できます。通信速度に異常を感じたときは、まず使用状況を見直してみることが重要です。

まとめ

今回は、スマホの通信制限の仕組みや条件、解除方法を解説しました。スマホの通信制限は、プランの上限を超えたときや短期間に大量の通信を行った際に適用され、快適なインターネット利用に大きな影響を与えます。

日ごろの使い方や設定を見直すことで、通信制限をある程度防いだり、上手に対処したりすることが可能です。自分の使用スタイルに合ったプランの選択や通信量の定期的なチェック、Wi-Fiの積極的な活用など、ちょっとした工夫も通信の快適さにつながります。

ぜひこの記事を参考に、通信制限に悩まされないスマホの使い方を実現しましょう。